「家庭教師のトライ」を運営するトライグループ(東京)が「水俣病は遺伝する」という誤った内容の教材をオンライン講座で使っていた問題で、トライグループは6日夜、今後の対応と再発防止策を発表した。
同社によると、教材製作に関わる社員や責任者らに対して、水俣病への理解を深めるための研修を今月16日までに行う。水俣病についての教材を新たに制作するときは環境省などの助言を受け、講師や教材制作者への研修を行う。教材のチェック担当社員やスタッフを増やし、体制も強化するという。
誤りがあった動画は、中学歴史の教材として、4大公害病を動画と文章で説明したもの。同社によると、アプリでは15年11月ごろから21年3月ごろまで、動画投稿サイト「YouTube」では2016年1月から25年5月まで公開していた。アプリでは推計7千回程度、YouTubeでは延べ7万回余り再生されたという。
誤った内容の動画を見た人への対応として、同社は今月15日までにYouTubeで正しい内容とおわびを盛り込んだ動画を公開する。アプリでも同日までに通知機能を使って情報発信するという。
同社は6日に発表した文書で、「今後は教材のチェック体制強化をはじめとした再発防止を徹底し、より正確な教材の製作に努めていくことをお約束させていただきます」とした。
この問題をめぐっては、環境省や熊本県などが同社に対して、問題の動画を見た人が多くいることへの対応と再発防止策を報告するよう求めていた。